転校生は憧れの人
……俺がなずなを守らねーと。
そう、決意を固めた時だった。
「すみません」
突然知らない声が響き、後ろから軽く肩を叩かれる。
ちょ、今目ぇ離せねーってのに!
「んだよ、悪ぃけど今忙……し……」
げーーーー!?
しぶしぶ振り返ってみると、そこには。
「警察ですが、少しお話を伺ってもよろしいですか」
「え、やー、あの……」
……ちょっと待て、嘘だろ!?
こ、これはもしかして……彼の有名な“職務質問”とかいう――。
ややや、でも!
職質? 俺が? 何で!?
パニック状態の俺は、どうしていいか全くわからなくて。
「ちち、違うんです!」
「はい。取り敢えず、いくつか質問させていただきますね」
咄嗟に叫んでみるも、一切聞く耳を持ってもらえず……。
そんなーーー!
――結局、話をわかってもらうまでかなり時間がかかってしまって。
俺が解放されたのは、30分以上経った後だった。