転校生は憧れの人
4章

嘘つきは悪夢の始まり



-Nazuna side-

 


まだまだ暑さの残る、9月初め。


草木の緑が鮮やかに色づいている。


楽しかった夏休みは終わりを迎え、遂に今日から2学期が始まる。


……よし。


私は気を引き締め、爽やかな気持ちで校門をくぐった。



「オッス、なずな!」


「あ、吉野くん。おはよう!」



教室に入るとすぐ、明るい笑顔が目に飛び込んできた。


相変わらずの元気さ。


私はそれに返事すると、自分の席に着いた。


……懐かしいなー。


以前と変わらず、ざわざわと騒がしいクラスに、思わず頬が緩む。


長期休み明けには決まって、そんなことを感じてしまうのだ。


鞄を置き、そうやって一息ついていると――。




< 256 / 309 >

この作品をシェア

pagetop