転校生は憧れの人
2章

遊園地はドキドキ全開




-Nazuna side-



「梓ー! なずなー!」



5月の末。初夏の優しい風が木の葉を揺らす、そんな時期。


温かい太陽に負けないくらい元気な声が、私達の名前を呼ぶ。



「ナツ、どうしたの?」



梓ちゃんはその姿を捉えるなり、そう尋ねた。



「お前等さ、俺等と一緒に遊園地行かねぇ?」


「「遊園地?」」



突拍子もないそのワードを、私と梓ちゃんは共に復唱する。


遊園地なんて、何年ぶりだろう。昔はよく、家族4人で遊びに行ったっけ。


そんなことを、何となく考えていると。





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