さよならまでの時間

何でだよ!聡!何悩んでんだよ!
梨花のメール見たんだろ?梨花の本当の気持ちわかったんじゃないのかよ!
梨花にプロポーズするって決めて、ここに来たんじゃないのかよ!

兄貴からもう一度考えろと言われた聡が、何も言わないで病室に戻ったということを聞いて、俺は兄貴の部屋を飛び出し、梨花の病室へと向かった。

「聡!お前・・・」

そう言って病室に入った俺は、そのまま聡のそばに行き、聡の顔を殴った。

「いってぇな!何すんだよ!!」

俺が殴った勢いで床へ倒れた聡は、立ち上がりながら俺にそう言った。
その聡の胸ぐらを掴んで俺はまた言った。

「お前、何悩んでんだよ!兄貴がお前に話したこと聞いたよ。何で、もう一度考えろって言われて、黙って戻ってきてんだよ!何で、それでも梨花のそばにいるって答えねぇんだよ!何で・・・」
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