さよならまでの時間
梨花の幸せ

ー聡sideー


りんの病室に戻った俺は、りんの枕元の椅子に座った。
そして、りんの右手を両手で包み、りんに話しかけた。

「りん・・・ごめんな・・・辛い思いたくさんさせて・・・りん・・・目ぇ、覚ましてくれよ・・・またそのかわいい声で聡くんって呼んでくれよ・・・りん・・・」

そう言って、左手でりんの頬を撫でると、りんの右手を握っていた俺の右手に、微かなりんの力を感じた。

「りん?!りん、気付いたのか?りん!」

「どうした聡!」

「今、りんが俺の手を握り返した気がしたんだ!りん!りん!」



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