素敵に政略結婚♪◆
コンコン。
乾いた音が
部屋に響く。
コンコン。
二度目のノックで
春乃は目を覚ました。
「---はっ・・・はい?」
いけない。
うたたねしちゃってた。
思わず
立ち上がる。
「春乃?」
鍵はかけて無かったので
カチャっと
春乃の部屋の扉があく。
「…建志ーー?」
あれ?
もうそんな時間ーー?
あわてて窓の外を見るけど
まだ夕日がうっすらと
西の空にかかっている。
「早いおかえりだったんですね?」
「あぁ。まぁね」
建志がにこやかに笑って
春乃の頭を
するりと撫でる。