素敵に政略結婚♪◆

不意にドアをノックされて
春乃はびくんと驚いた。

その様子に、建志は苦笑して、

「はい。リュート?」

と言いながらドアを開けた。

「おはようございます。
 お時間でございます。」

「ありがとう。もう行くよ…下で待ってて?」

「了解しました。」

リュートは綺麗にお辞儀をしてカチャリとドアを閉じる。
建志は無言のまま、髪を整えてから、

「で?なに?春乃?」

と、聞き直した。

「あの・・・

 突き飛ばしちゃって…すいませんでした。」


春乃は、深々と頭を下げた。
これで許してもらおうなんて、甘いだろうか?

「・・・・・・・・なんで、春乃は嫌だったのか聞いていい?」

「・・・あの…」

どうしよう。
どういえば、建志に嫌われないのかしら?


言葉に迷う。

だから、やっぱり出てくる言葉はこれしかなくてーー

「な…何でもありません。。。」

そんな春乃に、建志はまた困った様に、笑った。


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