恋のレシピの作り方
第十章 ブルームーン
「あ、あの……ここは?」


 夜の街を散々引っ張り回されて、たどり着いた先は、一軒のジャズバーだった。


「まぁ、付き合えって、話したいこともあるし」

「話したいこと?」

 奈央は走ったおかげで乱れた服を軽く整え、ジャズバー「brillant」の看板を見上げた。


「ブリ……アン?」

(フランス語だから、ブリアント……じゃないよね?)


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