恋のレシピの作り方
「春日さん、お疲れ様でした」

 羽村はいつもこの時間、伝票整理をしている。そして普段はかけない眼鏡が新鮮だ。

「司はどこに行ったか、ご存知ですか?」

「いえ、見ませんでしたけど……」

 そう言うと、羽村は大きなため息をついて、背もたれに体重をかけた。


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