ラブ・ストーリー~可愛くない女~
子ども達の降園時間になり、廊下の掃除をしていたとき。


「‥みゆき先生、話があります。」


背中の方から声がして驚いて振り返ると、私をまっすぐに見つめる正直がいた。


胸の奥がズキっと痛む。


「‥どうしたの?」


短い沈黙の後、私は思いっきり笑顔で応えた。


「あの、今日僕は‥」


正直がそう言いかけたとき、「みゆき先生、お電話です。至急職員室まで来てください。」と放送が流れた。
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