君と私のsubtext
同日 夜、偉大にできない優しさ
「模試の結果、上がったんです」

「おめでとう」

「特に数学っ。先生の教え方、すっごくうまくて助かります」


私は小さく笑う。

私が教えているのは、高三の女の子だ。
今年、受験する予定で、数学と英語、たまに理系科目も見ている。


「でも、先生っていいですよね。推薦入学でしょ」

「運が良かっただけ」

「うそうそっ。すっごい成績よかったんでしょー。生徒会とかやってたんですか?」

「…ま、ね」

「何の役職ですか?」


私は出されたアイスティーを口に運ぶ。

氷がとけて、少し水っぽい。


「一年が会計で、二年が副会長」

「二年連続ですかっ。すごい」

「大したことないよ。そんなに行事が多い高校でもなかったし」

「でも、国立大に推薦ですよー。すっごい優秀だったんですね」


苦笑いしかできない。

高校時代なんて、一番消したい過去の集積所だ。
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