キミが望むのなら


『さよならしたんだぁ~~』なんて言ってるけど、本当のところはちょっと違う。



あたしの友人の多田美樹[ただみき]は、入学当初から人気は目立つ女の子だった。



というのも、美樹はとても惚れぽく冷めやすい女の子で、気になった男の子がいると回りなんて気にせず手に入れてきたらしい。


体型も小柄で、まさに男の子の理想が集まったような女の子。



でもブリっ子なところが少し……いや、かなりあって、周りの女の子には嫌われる存在であった。



けど、何を気に入ったのか、入学してすぐに美樹はあたしにべったりに。



休み時間の度にあたしの席に遊びに来ては、意味のわからないことを楽しそうに話して帰っていく……



そんな感じで、自然と美樹といる時間が多くなった。



「で、美樹。前の彼とさよならしたのはいつもと同じ理由?」


「えへっ」



『えへっ』って……



「その時は確かに好きだと思ったんだよぉ。でも、なんかねぇ~~」



アヒル口は癖なのか、その唇に人差し指を置いて、考えるそぶりを見せる。



は―……


結局、今回も同じ理由か。






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