キミが望むのなら


「この公園をお昼はのんびり散歩して、夜はこのベンチで夜空の月を見上げるんだ」


「うん、いいね」


「その時はもちろん、手をこうやって繋いでね」


繋いでいる手を、そっと上に上げた。


「そうだね」


ニコッと俺に微笑んでくる。


「ねぇ、桃香」


「ん?」


「俺と、夢を追いかけてくれてありがとう」


「え……?」


綺麗な瞳が、俺をしっかりと見る。


この瞳は、俺の心を掴んで離さなくなる。


「桃香が居たから、俺は夢を持つことが出来た。そして、次の夢を見ることも……」



「……悠君」


「だから、これからも同じ夢に向かって一緒に歩んでほしい」


「っ……」


「4年前にも言ったけど、もう一度言わせて?」


「……」



キミに出会えた奇跡。


キミが俺を好きになってくれた奇跡。


そして、2人で夢を叶えた奇跡。



これからもずっとキミと―……



< 312 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop