囚われ姫~星屑は寵姫となりて蝶姫となる~
帯紅のバラ
お風呂から上がったあたしに、神崎さんはアイスを差し出した。
あたしがお風呂に入っている間に買ってきてくれたらしい。




「玲美さんも、扇さんも、良い人だね。刹那は良い環境で育ったな」
「お父さんもお母さんも外面だけは良いから。あたしが怪我して病院に行くって学校から連絡行ったときも二人とも来なかったわ」




言っていて辛くなる。
本当は二人とも駆け付けようとしてくれた。
雪やら渋滞やらで来れなかっただけで。




「温もりが…欲しいのか?」
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