検討中
―闇―



―僕は今、何処に居るのだろうか。
何も見えぬ暗闇の中、少年は思う。


自分は何なのか。
自分はどう生きてきたのか。

何度も思い出そうとした。
だが、先の思考をただひたすら繰り返すのみ。
何の進歩は得られない。

所謂、記憶喪失と云うものなのだろうか。
どこかに穴が空いているような違和感がする。


―もう、嫌だ……


早く元に戻りたい。元の形がどんなのか解らないけれど。
この漆黒の闇に僕のすべてが飲み込まれ堕ちてしまう前に。


―誰か……誰か……………助けて


どれだけ叫んでも、どれだけ抗っても誰も助けてはくれない。
僕しかいない空間なのだから当たり前だけれど。
でも事実本当に僕以外にいないのだろうか。
他に居たとしても、居なかったとしても
それでも希望が在るのなら探して見る価値もある。

とにかく今は希望を探したい。




――――――――僕が僕じゃなくなる前に
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

食べちゃいたいくらい………
赫燕/著

総文字数/1,341

ホラー・オカルト7ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop