天使の舞―前編―【完】
「私はアマネ様の乳母の、娘なのです。

ですから私は母に付いて、アマネ様とは幼い頃から、一緒に過ごしておりました。

アマネ様は私を姉のように慕って下さり、私もアマネ様の事は、弟のように思っていたのです。

でも年月を重ねるに連れ、いつしか私達のその感情は、違うものに変わっていきました。

どうにもならない、報われる事のない感情です。

アマネ様は、王子でいらっしゃいますから、当然覇権を取れと、魔王の命が下りました。

その為には、人間がお妃様でなければいけません。

アマネ様のメイド。

私がこれ以上を望む事は、許されないのです。

お願い致します。

あなた様は、アマネ様に選ばれたお方。

天界の王子の事は、お忘れになって下さい。

どうかアマネ様を、覇王に。」
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