天使の舞―前編―【完】
ゆっくりと目を開けて、アマネは真紅の瞳をキャスに向けた。


「キャス、お前の言う通りだ。
俺は、シラサギを愛してる。
でもその気持ちは封印した。
何故なら俺は、覇王にならなければいけないからだ。
幼い頃からずっと覇王になれと言われ続けて、俺はその呪縛から、逃れられない。
それに・・・。」


疲れた様子で、アマネは肩を落とす。


「お前、俺たちの・・・父上たちの過去、知らないだろ。」


「は?親父たちの過去?」


「天王の妃であるお前の母シンシア妃は、魔王の想い人でもあった。」


「はぁ!?」


「俺の父は、愛した人間と覇権を、天王に奪われたんだ。」


「奪われた?冗談だろ?」


しかしキャスに向けたアマネの顔は至って真面目で、とても冗談を言っているようには思えない。


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