天使の舞―前編―【完】
悠はそう言って、明るい色の緩い天パを、手でかきあげた。


風で乱れて、髪が顔にかかっていたのだ。


その仕草が、とてもセクシーで、乃莉子は不覚にも少しドキッとした。


どちらかと言うと、可愛い系のカッコ良さがある悠。


でも今の、無造作に髪をかきあげた悠の表情が、とても男性らしくて、乃莉子はちょっとだけ見惚れてしまった。


「どうだ乃莉子!
これで信じたか?」


ニッと笑って、悠は腰に手を当てて乃莉子を見た。


「うん…。」


乃莉子は少し照れて、半信半疑で小さく頷いた。

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