天使の舞―前編―【完】
彼方は唇の端を、クッとあげて、声無く笑った。


「はるか…ねぇ。
キャスは、はるかという名をもらったのか。
悠に彼方とは、お前のセンスも相当だな。」


「不可抗力よ!
そもそも名前を付けるなんて、そんな気なかったんだもん。
ましてや…彼方…くん…?
あなたには無理に“付けさせられた”んじゃない!
私を巻き込まないでよ。」


「で…その悠くんは今、何処にいるんだ?」


乃莉子と彼方が会話しているのを見て、またも宮田が割って入ってきた。


「君たちぃ、何を話しているのぉ?
て言うか広木さんさぁ、昨日から少し変だよぉ。
一体どうしたのさぁ?」


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