secret lips  -この恋は秘密-


「美華さんのお父様の秘書をさせて頂いております片桐と申します。本日は不在の社長に変わりこちらに伺わせて頂きました」


片桐は普段私には全く使わない敬語で相模に挨拶をする


「そうでしたか、担任の相模です。どうぞこちらへ」


片桐は一礼して相模の前の席に座る


「美華さんは就職と言う事でしたがそれについてはご家族の方の意見としてはどうでしょう?」


片桐は家族なんかじゃないし
そんな事片桐に聞いても無駄だと思う



「えぇ、彼女の意思を尊重するようにと社長から承っております」


片桐の口から出て来たのは恰もパパが言った台詞の様にポンッと出て来た言葉


けど、パパが私に関心なんか持つはずがない

どうせ「好きにしろ」って言うに違いない



「しかし、美華さんは成績も良いですし、就職難な今はまず進学してからでも」



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