鬼の花嫁
バッと狐が離れ、
誰かが私を守るように背に回す。
「ふん…避けたか」
「鬼め……」
この声…
この匂い…
この心地よさ……
「風神さん………」
全身に入っていた力が
安心で一気に抜ける。
「無事か?」
「はい…大丈夫です」
ふう…と安堵の息を吐いて、
彼の背にすがりつくように添いつく。
「今日は引かねぇのか?狐」
「必要ない…」
ククっと無捏灯さんは喉で笑って手を上げると、
後ろから数人の狐のお面をつけた者が現れる。