ティアドロップ



片手で――筋肉が張り詰めたあの腕を。






「ひーちゃん、行こっか」


「ふ…ふみ、や…せんぱ…」



ぎゅっと優しく握られた手。






そこでまた思い知る。



この優しい手には、あんな力が込められているのだと。


この優しさは、あの力があってこその優しさなのだと。








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