踏み台の女神
「うーん……じゃあ、お言葉に甘えて」


私がそう言うと、安永さんは顔をほころばせた。


何とも穏やかで、あたたかな表情である。





青白くゆるやかに流れていた時間が徐々に、こっくりと深まっていく。


半分欠けているとは思えぬほどの明るさで

月が一層冴え冴えと
輝いていた。
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