「PC捜査官」
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刑事は足から






「伯、中どうだ?」



「ここにいたのが犯人だったのは間違いないよ。」



確かにパンやらお菓子、空き瓶などが散らかっている。



「電話はどうしてたんだ?」



ここに電話機はなかった。
携帯でも使ってたのだろうか。




「この近くに公衆電話があった。それを使っていたんだろ。」



「あぁ…」



よく回る頭で



俺は少し切なさを覚えました。



「伯」



この際だ。
気になっていることを聞くのもいいだろう。



「何」




珍しく伯も答えてくれるようで返事を返した。



「お前、さ、刑事じゃないってどういうことだ?」



年齢だって多分、まだ十代なのだろう。



見た目も言動も、およそ刑事には見えない。



ならば何故、ここにいるのか。



「そのままの意味だよ。僕は刑事じゃない。
公務員試験を受けた事もないし警察学校に行ったこともない。僕は一般人だよ。」



「一般人がなんで捜査に加わっている?」



「…ある意味で、これが試験のようなものなんだよ。」




うん。訳わかんない。




「僕は依頼されて此処にいるんだ。
でも簡単に信用される訳じゃないから、…そうだな、力試しって言うの?」



はぁ



「この事件が解決して、信用されたら正式依頼を僕が依頼主から受けるってわけ。」



「…あー、すっげぇややこしいんだけど、つまりこうか?」




頭の中で整理する事にした。




「お前はある人から依頼を申し込まれたが、
依頼主はお前を信用できない。だから信用される為のテストって事でこの事件、というよりは俺達ワケアリ課に配属されたって訳か?」



「日本語って難しいね。」



「お前も日本人だろ。」




でも、…まぁ、なんとなく理解はできたかな。



「ちなみに依頼主が誰とかは…」



「守秘義務」




あーそうですねぇ!



くっそ腹立つなぁ!








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