思いが瞬を駆け抜けて~時代を越えた物語~


「………あんた、何者だ?」

私の目の前には顔筋の整った、袴を着て刀を差した少年がいる。


「えっと……森川 真琴(モリカワ マコト)です」


とても優しそうな少年だった。


とりあえず、名を名乗る。
何だろ……この親近感に近い感じ…


「真琴……だな?」


「そう。あなたは?」


「え…俺か?う~ん……そのだな…」


何だか口ごもってハッキリしない。

言ったらマズイのだろうか。


「え……まさか野党……?!」


「断じて違う!」


「じゃあ名乗ってよ。私だって名乗ったんだから礼儀でしょ?」


そう言うと少年は渋々名乗ろうとする。


ん?そう言えば……


袴に刀……


ちょっと古臭い口調……


刀にはよく見ると家紋。


____六文銭……


待って。まさか……?


「そ、そうだな……俺は、真田幸村。」


「真田……幸……村?!」


私の予想通り、どうやら戦国時代に迷いこんだみたいです。





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