月夜の翡翠と貴方


....それでも、唇を噛み締めて、私はレグートを見つめた。


「…何をして、償えばいいの」


レグートが、驚いたような顔をしてこちらを見る。

「…聞かないのかい?私達が何者なのか」

「…大体の検討はつく。言っておくけれど、私は今ご存知の通り奴隷よ。金なんか一銭もないわ」

そう言った私に、レグートはニヤ、とした嫌な笑みを浮かべた。

テラスの扉の近くから、ルトの視線を感じる。

けれど、表情はわからない。

ルトが今何を思って私を見ているのかは、わからない。

ただただ、私はこれ以上ルトに醜い自分を見られたくなかった。


レグートは私を見下ろすと、舐めるような視線を寄越してきた。

「最初から、貴女に金を要求しようとは思っていないよ」

「じゃあ、何を?」

唇をつりあげ、目を細める。

レグートは品定めするように、じっと私を見た。


「…そうだね、貴女も慣れていることのほうがいいだろう?……身体で、償ってもらおうかな」


それは私の、嫌いな目。

やましい目。濁った目。

今まで散々向けられてきた、主人たちの目だった。


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