フェイス
「警察に出頭する気分だよ。僕は彼を尊敬すると同時に恐れてもいるからね。だって、彼はこんなにひどい仕打ちができるんだから。尤も、平気ではないんだろうけど、平気な顔してたらどうしてやろうかな。でも、そう思うと悪役も楽しいね。不謹慎ではあるけれども」


 彼はどこか楽しげだった。

 悪意は感じられなかった。

 何となく智也先輩と同じなのかなって思った。

 何をしようとしているのかはわからない。

 だけど、何かをしてくれようとしている。
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