フェイス
私の忠誠
 その腕から解放されたと思った時にはもう斎藤先輩達はいなかった。


「大丈夫か?」

「私はそんなにヤワじゃない」


 主に心配される従者がいるものか。

 さっと離れて、帰ろうと思ったのになぜか器用にブラウスのボタンが外されて行く。


「って、何で脱がすのよ!?」


 時永は答えなかった。

 痣になったお腹に手が触れた。

 熱い、どっちが熱いのかわからない。


「変態! 節操なし! 下半身男!」


 恥ずかしくて、わけわかんなくて、思いつく限りの罵倒をしてやったら、私の頭をがしがしと撫でて笑った。
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