フェイス
戻れない場所
 あれから数日、私は影に徹していた。

 相変わらず、パトロールを続けている。


 春平とも相談して時永の家に戻ることにした。

 まりちゃんはずっと泊まっていっていいって言った。

 でも、そんなに迷惑をかけるわけにもいかない。


 春平は誰の家にお世話になっていたかは絶対に言わなかった。


 時永の屋敷では事情を察した御祖父様が色々と配慮してくれた。

 若いっていいなぁ、とか言いながら、ニコニコしていた。

 私はこの人には一生敵わないと思う。

 学校では王様気取りの時永でさえ、逆らえないとはっきり言うくらいなのだから。
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