フェイス
 校舎の裏に行くと、彼らは煙草を吸っていた。

 多分、三年。

 いかにも柄の悪い連中が屯している。


 一応、春平にも違反者発見の連絡を入れて、私は彼らへと近付く。

 別にこんなの一人でどうにかなるけれど。


「お、時永の女じゃん」

「違います」


 煙草を吸っていた不良グループの一人が私に気付いて言う。

 私は即座に否定したけれど、無駄だった。


「いやいや、わかってるんだって」


 何がわかっているというのか。

 何でこんな男に肩を組まれなきゃいけないのか。

 まるで仲間みたいに。
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