クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 ブラーヌはポケットを探って、古びた紙を結衣に差し出した。


「何ですか?」


 結衣は折りたたまれた紙を広げながら問いかける。
 そこには、たどたどしい子供の字で、お願い事が書かれていた。


「ロイドに言われて、このところ家を片付けてるんだが、二階のタンスの隅から出てきた」


 それを聞いて、結衣はクスリと笑う。
 どうやら書いたのは、子供の頃のロイドらしい。

 ロイドもそれに気付いたのだろう。
 素早く結衣の手から紙をひったくって、目の前の箱に投げ込んだ。


「妙なものを発掘してくるな」


 ロイドが睨むと、ブラーヌはイタズラっぽく笑う。

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