クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
王子が笑顔で声をかけてきた。
側まで行くと、ロイドが目を細めて髪をサラリと撫でた。
「よく似合ってる。少し髪の色素を抜いてもいいか?」
「うん」
王子が女装しているように思われてはマズイので、髪の色を変えようというのだろう。
「ごめんね、ユイ。王宮のみんなは、もう見慣れた頃だと思うけど、街の人はまだ、あんまり見慣れてないからさ」
申し訳なさそうに苦笑する王子を見て、ハタと気付いた。
「あれ? レフォール、髪切ったの?」
結衣と同じように、腰まで届くほど長かった王子の髪が、耳も首も露わになるほどバッサリと短く切られている。