クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 背の高いロイドは、人混みの中でも頭が飛び出しているので、見つけやすい。

 近付くと、科学雑誌と思われるものを脇に挟んで、他の雑誌を立ち読みしていた。

 ロイドが手にした雑誌を見て、結衣はゲンナリする。

 真剣な顔をして何を見ているのかと思えば、このエロ学者は——!

 雑誌の表紙には、セクシーな下着姿の女性の写真が印刷されている。
 どう見てもエロ雑誌だろう。

 結衣は立ち止まると、少し離れたところから大声でロイドを呼んだ。


「そこのエロ学者! さっさと行くわよ!」


 結衣の声に気付いたロイドは、ムッとした表情で慌てて雑誌を棚に戻すと、大股で歩み寄り額を叩いた。


「誰が、エロ学者だ!」
「だって、エロ雑誌見てたじゃない」

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