クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 いっそのこと自分自身でも脱ぎにくい、ボディスーツの上にレザーのスリムなタイトスカートでも着てやればよかったと思った。

 すっかり脱力した結衣をよそに、ロイドは平然と問いかける。


「どこか、行きたいところはあるか?」
「うーん」


 そう言われても、クランベールの観光名所など、遺跡くらいしか知らない。
 ロイドの拾われた遺跡を見てみたい気はするが、街の外だし、テラスから見た限りでは結構距離があった。

 昼食時までに街に帰ってこられそうにはない。
 となると、街の中で行けるところに限られる。

 結衣は少し考えて、ふと思い付いた。


「あなたの家は、ここから遠いの?」
「オレの家? すぐ近くだが、そんなものが見たいのか?」


 ロイドは訝しげに眉をひそめる。結衣は笑顔で大きく頷いた。

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