クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 だが持ち上げる事は出来たが、かなり重い。
 ロイドは確か、二〜三倍の力が出せると言っていた。

 自分の弟が身長百八十センチで体重六十五キロだと聞いた。
 ロイドは弟より大きく筋肉質なので、七十キロくらいあるんじゃないだろうか。
 三分の一にしても二十三キロはあることになる。

 このまま歩くのは、背中に回した腕がすっぽ抜けそうで怖い。

 結衣は一旦ロイドを下ろすと、今度は彼に背を向けて、足の間にしゃがんだ。
 腕を引いて身体を背中に乗せ、両足を持って立ち上がった。
 こっちの方が随分楽に運べる。

 結衣はロイドをさっさと寝室に運んで、ベッドに寝かせた。
 その間ロイドは、一度も目を覚まさない。

 マシンを外して白衣のポケットに戻すと、結衣はロイドの隣に潜り込んだ。

 目を閉じて眠ろうとするが、ちっとも眠くならない。
 当たり前だ。
 結衣は朝起きてから数時間しか経っていない。
 まだ寝る時間ではないのだ。

 しばらくゴロゴロしていたが、眠れそうにないので諦めた。
< 6 / 230 >

この作品をシェア

pagetop