クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 口を開けた顔の写真には、歯も舌もあるし、手足には爪もある。
 肌の質感も、恍惚とした表情や妖艶な微笑みも、ロボットとは思えない。

 次々にページをめくると、髪型や顔の造作、胸の大きさや体型など、様々なタイプのロボットがいる事が分かった。
 圧倒的に女性型が多いが、二ページほど男性型もいた。

 そして中央の袋とじの手前には、数ページに渡って、表紙を飾る最新型ロボットの特集記事が組まれていた。


「おもしろいか?」


 すっかり雑誌に見入っていた結衣は、突然声をかけられ、思い切りビクリと身体を震わせた。

 顔を上げると風呂上がりのロイドが、パジャマのボタンを留めながら、こちらに歩いてくる所だった。

 結衣の隣に腰掛けると、横から雑誌を覗き込む。
 一緒にヌード写真を見ているのが、なんだか気恥ずかしい。

 結衣は努めて平静を装いつつ、ロイドに尋ねた。

< 80 / 230 >

この作品をシェア

pagetop