イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
きりりとした眉、引き締まった頬、聡明そうな黒い瞳。

日に焼けた肌に黒い服がよく似合う。


……見覚えのある、黒い服。


「あ、ミソラ、来たのね」


キッチンの奥からお母さんが出てきた。

そして、あたしの手元にふと目を止めた。


「あれ、ミソラ、それ……」

「ああ、これ?」


あたしは苦笑しながら、リストバンドを見る。


「うん、例のアレ」

「……」


お母さんは、しばらくあたしをなんともいえない目でじっと見てたけど。

やがて、バッグを肩にかけて、逃げるようにリビングを飛び出していった。


「ちょっと買い物に行ってくるから」

「はいはい」
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