イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
あの子のあのためらいを見て。


(これは絶対あの子に返しちゃダメ)


あたしはそんな気がしたんだ。




無言の困惑した顔2つがだんだん遠ざかり。

やがて橋に隠れて見えなくなる。


ちょっと下流の浅くなったところで、あたしは何とか川から上がった。

この辺だと家が近い。



「どうしたのあんた! ずぶ濡れじゃないの!」

家に帰ると案の定お母さんにぎゃーぎゃー騒がれたけど。

「川に落ちちゃったの。平気平気!」

なんて言い捨てて急いで着替えると、あたしはもう一度現場に向かった。

荷物も自転車も置いたままだったしね。


(お願い、まだあそこにいますように!)


まだそんなに時間は経ってないはず。


二人のどっちにそこにいてほしかったのか。

よくわからないまま、あたしは必死で祈りながら走ってた。
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