六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「この戦いを終えて、生き残っていたら、

一緒にイギリスに来てほしい」


「…………」


「来るて約束してくれるんやったら、力を貸す。

……どないする?まりあ」


オーリィの蒼い瞳が、まっすぐにあたしをとらえた。


もう、後には退けない。


「……わかりました」


「まりあ!」


「だって、皆で生きて帰るには、戦力が必要だもの」


「だからって、テロリストの一員になるわけ?

あんなセンス無い名前の集団の!」


「わ、清良、何気にひどいなぁ」


琴さんはオロオロと、私達を見回している。


「しょうがないよ。

生きてなきゃ、どうにもならないもん。

生きてさえいれば……償う事だってできる。

ある日突然、道が良い方に変わるかもしれないじゃない?」


努めて、明るく言った。


「……決まりやな」


オーリィだけが笑顔で。


他の皆は、ただ小さくうなずいた。


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