届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
真っ暗な部屋に。
月明りが怪しいくらいの青白さを映していて。
すごくキレイで。
トクン
と、小さな鼓動が高鳴った。
その鼓動は、体中をシビレさせるかのように動けなくなって。
見とれたそのキレイな顔に。
決してそらさないその瞳の中に。
引き寄せられるかのように、ゆっくりと目を閉じようとしてしまった。
ベッドの上で絡み合った指。
さっき、倒れた拍子に重なり合っていた手が。
暴れていつの間にか絡まり合っていてそのまま。
ミシッとベッドがきしんだ。
「も~う、ひどくない?」
先に視線をそらしたのはあたし。
鼓動が大きくなりすぎて。
心臓が爆発するかと思って。
思わず視線をそらして、口元を緩めた。
「なんだ?お仕置き足りないか?」
スッと腕を引っ張って、ベッドから起こしてくれたのはいいけど。
チラッとあたしを見ながら、イジワルな笑みを浮かべた。
「あぁ~!!ごめんなさい。」
体が反射的に逃げる体制に入ってしまう。
「分ればいいんだよ。」
クスッと笑いながら、ベッドから立ち上がった。
「ねえ、今日は何時まで?」
すっかり忘れていたけど、今夜、冬槻先生から火曜日のことで連絡あるんだった。
「遅いよ。終わったらメールするから。」
「うん。今日も冬槻先生から連絡あるはずだから、じゃあ、メールの報告待っているね。」
「分った。それから、これからは、あんまり病院に来るなよ?」
「え!?何で?」
やっぱり、あたしと関わりたくないのかな?
それとも…もう、冬槻先生とうまくいき始めたからあたしは要らない?
ズキリと心が痛む。