届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…
Present

24 尚吾と誘拐


お兄ちゃんが大学に行っている間に家を出てきた。

行先なんて考えていなかった。

あてもなく電車に揺られる事2時間半。

隣の県の大きな繁華街。

きっと、お兄ちゃん心配しているだろうな…。

でも、帰る気持にはなれない。

また、お兄ちゃんと二人の生活。

あたしに関わって、また誰かが死んでしまうなんて、もう耐える事なんてできないから。

今までの自分を考えると異常だった。

お兄ちゃんは、異常を超えているけど…。

全てを思い返えすと、自分自身が気持悪くて仕方ない。

この体に、お兄ちゃんがふれていた事。

全てがお兄ちゃんで構成されていたこと。

全部否定したかった。

お兄ちゃんが刻み込まれているこの体。

この血液。

この細胞。

リセットできるものなら、リセットしたかった。

それに、親には嫌われていたから。

あの人達は、せいせいしたと思っていると思う。

今までは、お兄ちゃんがいたからあの家に居られた。

でも…お兄ちゃんの本当の姿を知ってしまったら。

あの家にいる理由なんかない。

少し早く、あの家を出ることになっただけ。

何も考えたくなくて、フラフラと街をうろついていた。

もしかして、お兄ちゃんが探しているかな?

見つかったら、自分はどうなっちゃうんだろう?

とか考えちゃって。

それに…

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