届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「アイツ、ああ見えて意外といいヤツだからさ。」

それだけ言うと、サッサと立ち去ってしまった。

引き際のよさに遊び慣れているのを実感。

遊び慣れている人って、ハンドリングの手加減が絶妙で。

押す時と引くとき。

このサジ加減をよく分かっているから。

このイケメン君の引き際の良さ。

あんまりしつこくしても、嫌がられて終わるって分かっているからでしょ。

まあ、今は尚吾がどうこうじゃない。

霧生くんを探したい。

その事しか見えていない。

霧生くんの行きそうなところ。

…実家?

それも考えたけど、家に来ていたくらいだし。

どこかの病院でまた看護師しているのかな?

手がかりが少なすぎて。

思いつく限りをやるしかない。

ホテルに戻ると部屋についているパソコンを使って。

病院一軒一軒調べる事にした。

予想以上に膨大な病院の数。

地元だけじゃなく、霧生くんの実家の方もそうだし。

何百件あるのか…

検索するだけでも相当な数。

あたしの直感で小児科だけに絞ってみた。

霧生くんなら小児科で働いているだろうから。

でも冬槻先生の件があったから、もしかしたら看護師は辞めているかもしれない。

不安な気持もあったけど、今は1%でもいい。

可能性に掛けるしかなかった。

不安は霧生くんをどう探すかだけじゃなかった。

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