届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

31 アルバム


本当にコンビニのお兄さんの家は近かった。

コンビニから歩いて3分。

少し古めかしいけど、普通の2階建てのアパートだった。

なんか…

霧生くんが住んでいたアパートを思い出す。

微かに緩んだ口元を引き締めて。

音を立てないように、忍び足で階段を上がると2階の真ん中の部屋の前に立った。

チラッと見上げた表札。

部屋の番号だけで、名前は書かれてない。

恐る恐る周りを見渡し、ゆっくりと鍵を開けてドアを開いた。

そ~と中を見ながらドアを開けると、ワンルームの部屋。

カーテンのかかっていないベランダの窓から、月明かりが部屋の中を照らしている。

ダンボールがそこらじゅうに置いてある。

本当に引っ越してきたばかりだったんだ。

お兄さんの言っていたことは本当っぽいけど。

まだ安心できない。

どこかに誰かが隠れているかもしれないから。

ゆ~っくり歩いて部屋の中に入る。

バンッ!!!!

勢いよくトイレのドアを開けた。

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