届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

48 逃げられぬ運命


次の日、丘芹の約束通り美緒ちゃんとご飯を食べに行った。

場所はこの間のカフェ。

丘芹と亮太と尚吾と4人で先に着いて待っていた。

秀は女と約束で少し遅れると連絡がきていから。

10分くらい待ったかな?

「ごめんなさい。待たせちゃって。」

美緒ちゃん達が、小走りでやってきた。

席に座るなりあたしの顔をみて、ニッコリと微笑んだ。

「この間は、急用で帰っちゃってごめんなさい。」

あたしがペコッと頭を下げた。

「大丈夫だよ。気にしないで。」

美緒ちゃんはニッコリ笑った。

釣られてあたしまでニッコリ笑ってしまう。

「今日はね、私も会いたくってお願いしていた人が来るんだよ」

智香ちゃんが嬉しそうに言うと

「ダレ?ダレ?」

亮太がテーブルに身を乗り出して聞く。

「来てのお楽しみ。」

もったいぶった口調でクスクスと笑った。

「なんだよ。教えてくれたっていいじゃん。」

丘芹がちょっとスネて口をとがらせる。

それとほぼ同時くらい。

「ほら、来たよ。」

美緒ちゃんが立ち上がって、あたし達の後ろに手を振っている。

みんなが振り返ると、スーツを着た男の人が歩いてきた。

「…嘘でしょ。」

ポツリと口から言葉が漏れてしまう。

体中に一気に緊張が走った。

「誰だよ。唯の知り合いか?」

何気なく尚吾が耳元に問いかけてきた。

「お兄ちゃん。」

一言、ボソッと答えた。

もう、それが精一杯の動き。

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