届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

ボソリとつぶやきながらすれ違った。

にこやかな表情を浮かべながら、その口調はまるで牙をむいた悪魔のささやきのように冷たい。

「…あたしも帰る。」

そう答えるのは自然のこと。

もし、ここで逃げたら。

尚吾達がどうなるか?

って、言いたいんでしょ。

あたしの居所だけがバレたくらいならいいけど。

尚吾達の存在がバレた今。

お兄ちゃんはどんな手段を使うか想像がつく。

あたしのせいで、これ以上、人を傷つけたくない。

あたしが帰ることで、尚吾達を守れるなら。

あたしはお兄ちゃんと一緒に帰るだけ。

尚吾が好きとか、そんな感情はないけど。

でもね…守りたい。

みんなのあの笑い声を。

ただそれだけ。

催眠術にでもかかったかのように、フラフラとお兄ちゃんの後を歩きだした。

お兄ちゃんの車に乗ると、ただ重たい沈黙が続いていく。

窓の外を見ながら今にも涙が溢れそうな瞳で、高速道路の過ぎてく街灯の明かりをながめてるだけ。

逃げ出す気力もない。

考える思考回路すら働かない。

見えない鎖に全てをガンジガラメにされている感覚が体中に感じる。

これから自分がどうなるの?

わからない恐怖と不安。

尚吾達が大丈夫か心配なのもある。

不安に押し潰されそうで、唇を噛みしめながら泣き出しそうな自分が車の窓に写っている。

やっと家にたどり着いた時には、精神的に限界になっていた。

部屋に入った瞬間、べったりと床に座り込んだ。

とうとう、帰ってきちゃった。

今夜…あたしはお兄ちゃんに何をされるの?

怖いよ…

助けて…

誰かこの世界から助けて!!

こらえていた大粒の涙が自然とポタポタと溢れだす。

バッと両手で顔を抑えると、肩を震わせながら泣き続けた。

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