届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

49 謎の王子(プリンス)登場!!


どれくらい泣いただろう?

気付いたら夜になっていた。

電気をつける気力もない。

明るい部屋にいる気分にもなれない。

ベッドにうずくまっているのが落ち着く。

どうせ、今夜もお兄ちゃんは来るのだろう。

拒めない自分が嫌だ。

このまま死んじゃいたい。

コツンと、壁に頭をくっつけた。

ガタガタ…。

突然、何処かから変な音がする。

お兄ちゃん…?

月明かりに照らされた窓ガラスに、大きな人陰が見える。

ガタン!!

大きな音がすると、窓が外れてその人影が入ってくる。

「痛ッてぇ~!音で気付かれてないよな。」

ボソボソと男の独り言が聞こえる。

逆光で顔が見えない。

「ダレ!?」

眉をゆがめながら思わず男に声をかけた。

「その声は唯だな!?」

聞き覚えのある声。

しかも、唯って名前を知っている。

まさか…

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