届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

「ダメだよ。あたしは行けないよ。」

払いのけようと、力いっぱい尚吾の手を振り払った。

「なんでだよ?」

寂しそうにうつむくあたしに、どうしていいか戸惑った表情を浮かべた。

「あたしは、行く所なんかもう無いから…この姿を見たら、軽蔑したでしょ?あたしは汚いから。」

ポツリ…ポツリ…

涙が溢れてくる。

グスッと鼻をすすりながら、強く唇を噛んだ。

「軽蔑ってなんだよ…軽蔑されようが、嫌われようが利用出来るものは利用しろよ!!」

急に声を荒げて。

ジッとあたしの顔を見た。

「出来るわけないじゃ!!こんな姿見られて、知られたくない事知られて、どんな顔して尚吾と会っていればいいの!?」

あたしの声も自然と大きくなる。

「オレは変わるつもりは無い!!だから、唯も変わらなきゃいいだろ。」

ギュッと強くあたしの肩をつかんだ。

驚いたのは一瞬。

「できないよ。出来るんだったら、とっくに尚吾と逃げているよ!!」

「逃げたいんだろ?だったら、逃げればいいじゃねぇか。」

「簡単に言わないでよ!!こんな姿見られているんだよ?恥ずかしくて情けなくて…二度と尚吾の顔をまともになんか見られないよ!!」

「オレ達を今まで、その程度にしか見てなかったのかよ!!」

「そうじゃないけど…。」

尚吾は口ごもるあたしの腕を掴むと、力いっぱいベッドに放り投げた。

あたしの太ももの上にまたがると、両手をベッドに強く押さえつける。

グッと息を呑むあたし。

唇に力を入れていても、尚吾の舌が入ってくる。

息も出来ないくらいのキス。

乱暴にワンピースの中に入ってくる手。

「しょっ…尚吾…ダメっ。」

必死に抵抗しようと腕に力を入れるけど。

押さえつけられている手が、あまりの力強さに痛みが走る。

< 379 / 570 >

この作品をシェア

pagetop