届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

何かを察したみたいで

「初めまして。私は、秀一の姉の芭月(はづき)です。」

にっこり笑った。

「えっ!秀のお姉さん!?」

びっくりして口が開いたまま。

だって、お姉さんにしては年上すぎるし。

見た目は25歳くらい。

スラッとした、キレイな感じの人。

秀とも全然似てないし。

「本当に、秀のお姉さんなんですか?」

パチパチと何度もまばたきをして。

ジッとお姉さんの顔を見た。

「そうなの。私達の両親は、できちゃった結婚でね。母が17歳の時の子供が私。秀一は、年をとってできた子だから12歳違いなんだ。」

「えっ?12歳違いって……29歳なんですか!?全然見えない!!!!!」

「ありがとう。」

微笑みながら、首をかたむけた。

「でも、尚吾とはどういう関係なんですか?」

よそよそしい尚吾の態度に不思議に思って。

だって、親友のお姉さんで、ここに来るのも慣れているみたいだったし。

仲がいいなら、よそよそしい態度にはならないでしょ?

「秀一と尚吾君は幼稚園の時からの親友なのよ。小さい時からモテていたの。」

「…その時から、女遊びしていたんだ。」

ボソッと一言。

その一言をお姉さんは聞きもらさなかったみたいで。

「う~ん…微妙な感じ。だって、あの時好きだった奈々乃ちゃんだっけ?フラれるまでは、帰る時も大泣きで。フラれた瞬間に言い寄ってきた女の子を片っ端からチュウしていたわね。」

懐かしみながら茶化すように笑った。

片っ端って…。

< 387 / 570 >

この作品をシェア

pagetop