届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

54 壊れ行く世界


眠った尚吾の腕の中にいても、ミュウの事が引っ掛かっていた。

…今までにはない。

たった一度、話しただけの女の子が気になるなんて。

『G』には変わったコなんて、いくらでもいるのに…。

『G』に不釣合いなロリータだから?

…ガバッ!

勢いよくベッドから飛び起きると、着替えて家に戻った。

駅に向かって歩いているとき、尚吾に付けられた内腿のキスマークがズキズキと痛む。

ミニスカートからチラリと見えるキスマーク。

いまだに、クッキリと歯型が残っている。

「キスマークじゃなくて、噛みあとじゃん…しかも、青アザになっているし。」

タメ息をつきながら、薄っすらと青くなっているアザを見た。

駅に着くと、ちょうど始発電車が来た。

一駅しか乗らないんだけどね…。

朝焼けがまぶしくて、目が痛い。

不思議と、この時だけはミュウの事を忘れられた。

家に着くとお姉さんはまだ寝ていた。

…5時39分。

会社に行く時は、6時40分に起きるから。

まだ寝ているのも当然か。

シャワーを浴びて、ベッドに潜り込んだ。

気晴らしに携帯でゲームをしていると、いつの間にか眠っちゃった。

起きたら昼の1時を少し過ぎ。

寝ぼけながらリビングに行くと、お姉さんが用意してくれた朝食のベーコンエッグがラップを掛けられたままテーブルに置いてある。

ベーコンエッグを電子レンジに入れ温め直した。

携帯を部屋から持ってくると、尚吾からのメールが3件入っていた。

内容は、見なくても分かる。

すぐに、尚吾に電話をかけた。

♪…

「どこにいる?」

ワンコールもしてないのに。

出るの早い!!!!
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