届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

55 もどかしい思い


夜の9時くらいだった。

亮太がビックリした顔をして『G』の部屋に突っ立っている。

…原因はミュウ。

あまりの可愛さに直立不動。

「大丈夫か?」

秀が顔を覗き込みながらじっくりと亮太を観察している。

「このコ、頼むわ。」

ミュウの肩を抱き、尚吾が亮太の前に連れて行った。

「……あの……。」

ミュウが、モジモジしながら、サッと尚吾の後ろに隠れた。

「どうした?」

不思議そうな顔をしながら、ミュウの顔に振り向いた。

「だって…だって………この人…………怖いんだもん。」

ギュッと、尚吾の背中に抱きついた。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

凄まじい悲鳴と共に、亮太が頭を抱えてうずくまった。

「…どうしたんだよ。」

恐る恐る、秀が肩を叩いた。

「だって……だってさ、こんな可愛い子に、怖いって…。」

まるで、人生が終わったような。

世の中の女の子から嫌われたと言わんばかりに、泣きそうな顔をしながら顔を上げた。

「きっと、人見知りなんだよ。」

秀がポンと肩を叩きながら、優しく慰めた。

「やっぱり、俺は女の子に嫌われるんだ!!!!」

秀はモテるからって言いたそうに。

頭を抱えながらうずくまった。

「あたしは、好きだけどな。それじゃダメ??」

ソファに座りながら、ボケッとしていたあたしがポツリとつぶやた。

その声が聞こえたみたいで。

「本当に?」

キラキラと目を輝かせながら、顔を上げてあたしを見た。

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